【2024年最新データ】新NISA利用実態を年代別に徹底解説!20代が急増、40代・50代は投資額で圧倒。あなたはどう活用する?
2024年にスタートした新NISA制度は、テレビやネットニュースで連日のように話題となり、多くの人が資産形成への関心を高めています。 まさに「貯蓄から投資へ」という国のスローガンが、現実のものとなりつつあると言えるでしょう。
しかし、実際に新NISAを始めているのはどの世代が多く、みんなどれくらいの金額を、どのような商品に投資しているのでしょうか?
この記事では、金融庁や日本証券業協会などが公表した最新の統計調査をもとに、新NISAの利用実態を年代別に徹底分析します。 ご自身の年齢や状況と照らし合わせながら、これからの資産形成のヒントを見つけてください。
この記事の目次
【全体像】新NISA、驚異的なスタート!すでに10兆円が市場へ
新NISAの勢いは、各種データに明確に表れています。
- 口座数が急増:制度開始からわずか半年(2024年6月末時点)でNISA口座数は約2,427万口座に達し、約300万口座も増加しました。
- 買付額は10兆円超え:2024年6月末時点で、新NISAを通じた買付額の合計は10兆1,341億円に上ります。
- 新規資金が市場へ:購入資金の74.9%が「預金・給与所得・年金」からであり、これまで投資に回ってこなかった新しいお金が市場に流れ込んでいることがわかります。
金融庁は「5年間でNISA口座数を3,400万口座、買付額を56兆円へ倍増させる」という目標を掲げており、新NISAが個人の資産形成と日本経済の成長の柱として、極めて順調な滑り出しを見せていることがわかります。
【年代別データ①】口座数と増加率:勢いは20代、中心は40代・50代
では、年代別に見るとどのような特徴があるのでしょうか。 まずはNISA口座数を見てみましょう。
2024年6月末時点での口座数は、40代が468万口座、50代が461万口座と、この2世代がNISA利用者の中心であることがわかります。
年代 | 口座数 | 2024年3月末時点からの増加率 |
---|---|---|
10歳代 | 13万6470口座 | 2.1% |
20歳代 | 275万2320口座 | 6.9% |
30歳代 | 424万9508口座 | 4.3% |
40歳代 | 468万0771口座 | 4.4% |
50歳代 | 461万3256口座 | 5.4% |
60歳代 | 357万5573口座 | 4.4% |
70歳代 | 279万6221口座 | 2.3% |
80歳代以上 | 147万2400口座 | 3.6% |
総数 | 2427万6789口座 | 4.5% |
しかし、注目すべきは口座数の「増加率」です。 ここでは20代が6.9%と最も高い伸びを示しており、若年層が新NISA制度を積極的に活用し始めている様子がうかがえます。 これは、将来を見据えて早期に資産形成を始めようという若者の意識の高まりや、SNSなどを通じて気軽に投資情報にアクセスできるようになったことが背景にあると考えられます。
【年代別データ②】買付額と平均投資額:投資を牽引するのは40代以上の世代
次に、実際に投資されている金額を見ていきましょう。
2024年6月末時点の買付額では、50代が2兆1130億円、40代が2兆397億円と、この2世代で全体の約4割を占めています。 60代も約1.9兆円と高く、安定した経済基盤を持つ世代が、新NISAの大きな非課税枠を活かして多額の資金を市場に投入していることがわかります。
年代 | 新NISA買付額(合計) |
---|---|
10歳代 | 220億円 |
20歳代 | 6282億円 |
30歳代 | 1兆6618億円 |
40歳代 | 2兆0397億円 |
50歳代 | 2兆1130億円 |
60歳代 | 1兆8971億円 |
70歳代 | 1兆3298億円 |
80歳代以上 | 4422億円 |
合計 | 10兆1341億円 |
月々の積立額や累計投資額の平均を見ても、やはり年代が上がるほど高くなる傾向があります。
年代 | 平均積立額(月額) | 平均投資額(累計) |
---|---|---|
20代以下 | 54,048円 | 575,625円 |
30代 | 61,495円 | 1,043,846円 |
40代 | 66,709円 | 1,187,149円 |
50代 | 65,614円 | 1,184,202円 |
60代以上 | 72,231円 | 1,348,819円 |
一方で、20代以下でも月々平均5万4千円と、着実に積立投資を行っていることがわかります。 若年層は少額からコツコツと、壮年・高年層はまとまった資金で、というように、それぞれのライフステージに合わせた形で新NISAを活用している姿が浮き彫りになります。
【年代別データ③】利用率:最も積極的なのは20代・30代
口座数や投資額では40代以上が中心でしたが、「利用率(その年代のうちNISAを利用している人の割合)」で見ると景色は一変します。
年代 | 利用率 |
---|---|
20代 | 32.9% |
30代 | 29.1% |
40代 | 24.9% |
50代 | 17.5% |
60代 | 19.4% |
最も利用率が高いのは20代の32.9%、次いで30代の29.1%でした。 制度の認知度は全年代で80%前後と高いにもかかわらず、特に若年層が実際に行動に移していることがわかります。 これは、20代・30代がデジタルネイティブであり、ネット証券での口座開設や情報収集に抵抗が少ないことが大きな要因と考えられます。
【参考】みんなは何を買っている?年代別戦略のヒント
では、皆さんは具体的にどのような金融商品を購入しているのでしょうか。 ここにも明確な傾向が見られます。
つみたて投資枠:王道は「全世界株式」と「米国株式」
多くの人が資産形成の「コア(核)」と位置づける「つみたて投資枠」。 ここで圧倒的な人気を誇るのが、低コストで世界中に分散投資できるインデックスファンドです。
特に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は鉄板の人気銘柄となっています。 また、利用者の83.2%が一度も売却していないというデータもあり、短期的な値動きに惑わされず、長期的な視点でコツコツ資産を育てるという基本戦略が浸透していることを示しています。
成長投資枠:安定配当の国内株 vs ハイテク成長の米国株
より自由度の高い「成長投資枠」では、投資家の個性が表れます。 「つみたて投資枠」を補う「サテライト(衛星)」戦略として、多様な商品が選ばれています。
- 国内株式:日本電信電話(NTT)や三菱UFJフィナンシャル・グループなど、安定した経営基盤を持ち、配当利回りが期待できる大型株が人気です。 安定的なインカム収入を狙う投資家が多いようです。
- 外国株式:こちらは一転して、エヌビディア(NVDA)やテスラ(TSLA)といった米国の高成長テクノロジー企業が上位を占めます。 国内株とは異なる大きな成長リターンを求める投資家の姿がうかがえます。
成長投資枠でも利用者の75.3%が一度も売却しておらず、長期保有が基本であるという点は共通しています。
まとめ:データから見えた世代別NISA活用法
今回の調査結果から、新NISAの利用実態は世代ごとに明確な特徴があることがわかりました。
- 20代・30代:高い利用率と口座増加率が示す通り、新NISAへの関与が最も積極的です。 時間を最大の武器に、少額からの積立投資で長期的な複利効果を狙うのが賢い戦略と言えるでしょう。
- 40代・50代:口座数・買付額ともにトップで、まさにNISA利用者の中心層です。 安定した収入や資産を活かし、「つみたて投資」で土台を固めつつ、「成長投資枠」で積極的に資産の増加を狙う、バランスの取れた活用が可能です。
- 60代以上:平均投資額・積立額が最も高く、豊富な資金を有効活用しています。 退職金などを元手に、成長投資枠で高配当株などを購入し、安定した配当収入を生活に役立てる、といった活用法が考えられます。
一方で、投資を始めていない理由として最も多いのが「知識がなく、どうすればよいかわからない」(約42.0%)という点です。
もしあなたがまだ一歩を踏み出せていないのであれば、まずは少額からでも始めてみることが大切です。 本記事で紹介したように、多くの人が「全世界株式」や「S&P500」といった定番の投資信託からスタートしています。
新NISAは、あなたの未来を豊かにするための強力なツールです。 この機会に、ご自身のライフプランに合わせた資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
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