【徹底解説】楽天・高配当株式・日本ファンド(日本版SCHD)は買いか?特徴・分配金・ポートフォリオを完全分析!

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【徹底解説】楽天・高配当株式・日本ファンド(日本版SCHD)は買いか?特徴・分配金・ポートフォリオを完全分析!

「安定した配当金が欲しい」「新NISAで日本の高配当株に投資したい」と考えている方に、今注目されている投資信託が「楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)」です。

このファンドは、米国で絶大な人気を誇る高配当ETF「SCHD」の日本版として設計され、「日本版SCHD」とも呼ばれています。

しかし、2025年2月に設定されたばかりの新しいファンドのため、「本当に投資しても大丈夫?」「どんな特徴があるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

そこでこの記事では、公開されている2つの詳細なレポートを基に、「楽天・高配当株式・日本ファンド」の特徴、分配金実績、ポートフォリオ、そして投資する上での注意点まで、どこよりも分かりやすく徹底解説します。

楽天・高配当株式・日本ファンドとは?

「楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)」は、日本の金融商品取引所に上場している株式を主な投資対象とし、安定的な配当収益の確保中長期的な値上がり益の獲得の両立を目指す投資信託です。

運用は楽天投信投資顧問が行い、新NISAの「成長投資枠」の対象商品にもなっています。

項目 内容
ファンド名 楽天・高配当株式・日本ファンド(四半期決算型)
設定日 2025年2月7日
運用会社 楽天投信投資顧問株式会社
投資目的 配当収益の確保と中長期的な値上がり益の獲得
決算頻度 年4回(3月, 6月, 9月, 12月の各25日)
NISA対応 成長投資枠

特徴①:「質の高い」高配当企業への厳選投資

このファンドの最大の特徴は、単に配当利回りが高い銘柄に投資するのではない点です。

株式の選定にあたっては、「ダウ・ジョーンズ日本配当100インデックス(S&P)」を主に参照します。 この指数は、財務の健全性や安定した配当実績を持つ「質の高い」高配当企業を選び出すための、明確な基準を設けています。

主な銘柄選定基準

  • スクリーニング: S&P日本500指数の中から、10年以上連続で配当を支払っている(連続増配ではない)といった実績や、十分な流動性(売買のしやすさ)を持つ銘柄を抽出します。
  • ランク付け: キャッシュフロー、ROE(自己資本利益率)、配当利回り、過去5年間の配当成長率といった指標で銘柄を評価・ランク付けします。

この厳格なプロセスにより、業績不振で一時的に利回りが高くなっているだけの、いわゆる「高配当の罠」を避け、持続的に配当を支払い、企業価値の向上も期待できる優良企業への投資を目指します。

特徴②:早くも実現した「分配金」の実績

本ファンドは年4回決算を行い、投資家へ収益を分配する方針です。 設定から間もないにもかかわらず、2025年6月25日の最初の決算で、1万口あたり100円の分配金が支払われました。

決算日 分配金(1万口あたり、税引前) 基準価額(分配落ち後)
2025年6月25日 100円 10,419円

設定後わずか数ヶ月で分配が開始されたことは、ファンドがその投資目的に沿って順調に収益を生み出し始めていることを示すポジティブなサインと言えるでしょう。

ただし、分配金は将来が保証されるものではなく、基準価額の水準や市況によって変動したり、支払われない場合もある点には注意が必要です。

特徴③:長期投資に嬉しい「低コスト」構造

投資信託を選ぶ上で、コストはリターンを確実に押し下げる重要な要素です。その点、このファンドは非常に魅力的なコスト体系になっています。

  • 購入時手数料: 無料
  • 信託財産留保額: 無料
  • 信託報酬(運用管理費用): 年率0.297%(税込)

購入時の手数料や解約時のペナルティがなく、保有期間中にかかる信託報酬も年率0.297%と、高配当株ファンドとしては非常に低い水準に設定されています。 この低コスト構造は、特に配当を再投資しながら長期で資産を育てていきたい投資家にとって大きなメリットとなります。

特徴④:安定感のあるポートフォリオと堅調な初期リターン

ポートフォリオ(組入銘柄)の内訳

2025年5月30日時点で、ファンドは73銘柄に投資しており、その中身は日本を代表する優良企業が中心です。

【組入上位10銘柄】(2025年5月30日時点)

順位 銘柄名 業種 組入比率
1 東京海上ホールディングス 保険業 4.0%
2 日本電信電話 情報・通信業 3.9%
3 ブリヂストン ゴム製品 3.9%
4 日本たばこ産業 食料品 3.9%
5 SOMPOホールディングス 保険業 3.7%
6 伊藤忠商事 卸売業 3.6%
7 トヨタ自動車 輸送用機器 3.6%
8 MS&ADインシュアランスグループHD 保険業 3.5%
9 本田技研工業 輸送用機器 3.3%
10 三菱商事 卸売業 3.2%

保険、卸売業、輸送用機器といった、成熟し安定したキャッシュフローを持つ業種が上位を占めており、ファンドが目指す安定運用の方針がポートフォリオにも表れています。

初期リターン

設定から日は浅いものの、運用は堅調にスタートしています。2025年5月30日時点での設定来リターンは+7.7%を記録しました。 もちろん、これは短期的な実績であり、将来の成果を保証するものではありませんが、好調な滑り出しと言えるでしょう。

投資する上での注意点(デメリット)

魅力的な特徴が多い一方、投資を検討する上で知っておくべき注意点もあります。

  1. 運用実績が短い: 2025年2月設定のため、長期的な運用実績がありません。 リーマンショックのような大きな経済危機を乗り越えた経験がなく、ファンドの真価が問われるのはこれからです。
  2. 米国SCHDとの違い: 「日本版SCHD」と呼ばれていますが、本家である米国SCHDとは投資対象の市場(日本と米国)が異なり、参照する指数や信託報酬も異なります。 特に信託報酬は、米国SCHD(約0.12%)と比較すると高めです。 全く同じパフォーマンスを期待すべきではありません。
  3. 市場の変動リスク: あくまで株式に投資するファンドであるため、元本は保証されていません。 国内外の経済情勢や市場の動向によって基準価額は変動し、元本を割り込む可能性があります。

まとめ:楽天高配当日本ファンドはどんな人におすすめ?

最後に、このファンドがどのような投資家に適しているかをまとめます。

【こんな人におすすめ】

  • 日本の「質の高い」高配当企業にまとめて分散投資したい人
  • 定期的な配当収入(インカムゲイン)を重視する人
  • 長期的な視点で、低コストでじっくり資産を育てたい人
  • 新NISAの成長投資枠で、日本の高配当株ファンドを探している人

「楽天・高配当株式・日本ファンド」は、明確な投資哲学と低コスト構造を両立させた、日本の高配当株投資における有力な選択肢の一つです。 初の分配金も支払われ、順調なスタートを切りました。

ただし、新しいファンドであるという点を十分に理解し、ご自身の投資目標やリスク許容度と照らし合わせた上で、慎重に投資判断を行うことが重要です。


【投資に関するご注意】

この記事は、特定の金融商品の購入を推奨または勧誘するものではありません。

投資信託は預金とは異なり、元本が保証されるものではありません。基準価額の変動により、投資元本を割り込むリスクがあります。

表示された実績は過去のものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。

投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

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